ツイステに登場するロロ・フランムと、彼が登場したイベント『グロリアス・マスカレード』について考察をまとめています。
彼はなぜ偏った正義感に駆られ『紅蓮の花』を街に放ったのか。そして彼にとってマレウス・ドラコニアとはどういった存在なのか。
彼の心情と生い立ちについて考えてみました。
目次
ロロ・フランムの恨みはなぜマレウスに飛び火したのか?
マレウスを逆恨みした理由
ロロにとってのマレウス像
例の事件で弟が亡くなってから、ロロは罪悪感に駆られ苦しさに耐えられず、魔法そのものを憎むようになります。そしてその恨みは、弟を助けてくれなかった無力な魔法士にも向かいました。
つまりロロは、自分の心を守るために責任転嫁をした訳ですね。
「悪いのは周りにいた魔法士どもだ!力を持ちながら、あの子を救えなかった!!肝心なときには手をこまねいて、目の前で苦しむあの子に何もしてくれなかったではないか‥‥」
引用元:ツイステ|グロリアスマスカレード ロロの台詞
さらにロロの憎しみはマレウスにも向けられます。ロロ視点だと、世界屈指の魔力を持つと言われるマレウスは傲慢な魔法士の代表に見えたのでしょう。
ほかにも有名な魔法士はいますが、魔力の多さや知名度の高さなどからマレウスに飛び火した…というワケですね。
関連:【ツイステ】ロロ・フランムの設定|弟を失った過去と残酷なユニーク魔法
恨みは形のあるものに向かいやすい
ただしロロの考え方は八つ当たりであり、マレウスは何もしていません。とんだとばっちりです。
正直なところ管理人は「ロロの弟がドラコニアンで、マレウスのような強い魔法士に憧れていた」みたいな理由があると想像していましたが、そういった事情は一切なし。マレウスは全くの無関係。
マレウス本人はロロとの会話中に「逆恨みだ」と指摘していましたが、逆恨みどころか八つ当たりでしかありません。このような理不尽な考え方は、元ネタであるフロローを連想させますね。
とはいえロロは、誰かを恨むことでしか自分を保てませんでした。
そもそもの話、形のないものを恨むのは難しいことです。魔法には形がないので、それを象徴するような物に恨みが向かうのは自然な流れ。
だからこそロロは、マレウスという魔力の塊を恨んだのでしょう。
世界を巻き込んだ八つ当たり
ロロはツイステッドワンダーランドから魔法を消し去ろうとしますが、彼が本当に恨んでいるのは弟を助けられなかった自分自身です。
この点については、グロリアス・マスカレードの5章にてイデアが散々指摘して(というか煽って)います。
「だってロロしが本当に恨んでるのは、自分でしょ。目の前で苦しむ弟を助けられなかった、弱くて役立たずな自分自身」
引用元:ツイステ|グロリアスマスカレード
後悔して憎んで悩んで、それでも大切なものが戻らないなら全て滅茶苦茶にしよう。結局のところ、ロロがやろうとしたのは世界を巻き込んだ八つ当たりです。
けれど正しく生きてきたロロは、自分が悪だと認めたくありません。だから自分の八つ当たりを、弟のためだの世界のためだのと理由をつけて正当化しました。
「紅蓮の花で、魔力を消し去ろう。もう二度と弟のように可哀想な人間を出さないために。それが私の使命だ」
引用元:ツイステ|グロリアスマスカレード
「そうすれば、もう誰もあんな思いはしなくて済む。あの暗く、冷たい、絶望から解放されるのだ……。これで…これでもう、誰も苦しまなくて済む。誰ももう…‥あいつのようにはならない……。」
引用元:ツイステ|グロリアスマスカレード
さらに質の悪いことに、ロロは本当に自分自身が正しいと信じています。そうでもしないと自分を保てなかったから。
元々がまじめな良い子だと分かるだけに、こんな選択しか出来なかったのは辛いですね。
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考察|極端な正義に囚われたのは完璧主義者なせい?
理想を追い求めるがゆえの過ち
ロロ・フランムの「この世から魔法が消えればいい」という考え方は非常に極端です。
この考え方を現代的に表すなら、身内が自動車事故にあったからこの世の車を全て消し去ろう!と言っているようなもの。あまりに極端すぎる。
この理由について管理人は、ロロは完璧主義者ゆえに0か100かの極端な考え方になったのだろうと考察しました。
簡単に言えば、白黒はっきりつける性格。グレーを嫌い、曖昧さや中途半端を許さない。そして何より理想が高い。
だからこそ二度と悲劇が起こらないよう、原因を根本から無くしてしまえと考えたのではないでしょうか。
なおこれは原作のフロロー判事にも当てはまる特徴であり、彼も世の中の悪をすべて追放したがっていました。
余談:ロロの目のクマについて
ロロの今までの生活を考えれば、クマができても不思議ではありません。
弟のことで苦しみながら生きてきたなら、眠れない夜も多く悪夢にうなされる事も多かったでしょうから。
さらに彼は学業も生徒会長としての仕事もこなしつつ、毎日鐘楼を登って鐘を磨き、かつ誰にもバレないよう紅蓮の花を育てていました。
要するに、一人でとんでもない仕事量をこなしているのです。多忙さで言えば、アズールと同じかそれ以上かもしれません。
そら顔にクマもできるわ。
ロロはとにかくタフで、並みの精神力ではない事がわかります。
原作『ノートルダムの鐘』のフロロー判事との違い
フロロー判事とは違い、生徒から尊敬を集める
原作『ノートルダムの鐘』におけるフロロー判事は、皆に恐れられており死亡時も彼に同情する人はいませんでした。
しかし対照的に、ロロはノーブルベルカレッジの生徒たちから尊敬されています。普段から真面目で「みんなの憧れ」と評されるほど。
副会長「会長は自分にも他人にも厳しい方ですが……とても真面目な方なんです」
補佐「ストイックで、思慮深くて、成績も優秀。魔力も豊富であり、イマジネーションの力も強い。ロロ会長は、ノーブルベルカレッジの生徒たちの憧れなんですよ!」
引用元:ツイステ|グロリアス・マスカレード
ガーゴイル「雨の日も、風の日も、雪の日もこの高い鐘楼を登って、救いの鐘を丁寧にぴかぴかに磨いて……」
引用元:ツイステ|グロリアス・マスカレード
ロロは親しみのある性格ではないものの、フロローとは真逆で周囲から慕われています。
4章で登場したガーゴイルも、ロロのせいで酷い目に遭ったのに彼を最後まで案じていました。
凶行に走ったのは事実ですが、こういった良い面もロロ・フランムにはあるのです。どちらが彼の本質かと言われれば迷うところですが・・・
あくまで考察ですが、ロロの中には良い面と悪い面の2つが矛盾なく存在している印象です。ただしこの2つが混在することは無く、それぞれ独立して存在しているイメージ。
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